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主宰の八句 2024  11月号

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     辿り着く     

 黄疸を発症
豊年や吾は老残の黄金仏
 胆管癌の手術を受く
芭蕉忌の曾良とも頼む点滴棒
自問して自答して秋深みかも
冬蝶に此岸を摑む力かな
初鏡老いの気力を眉に寄せ
生きてゐる証海鼠を噛み切るも
新茶まで辿り着きたる病あと
怖づ怖づと手術の痕を更衣
吾が骨も団扇の骨も顕なる
蜜豆や酒に飽きたる齢には
 (「俳壇」令和六年九月号より転載)

主宰の八句  2024  10 月号

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町涼し 

出水以後河童のゐない河童淵
走り梅雨魚臭かすかに通し土間
外灯の光を舐めに守宮かな
吾が骨も団扇の骨もあらはなる
打水の糊代ほどを隣にも
鰻焼く間を川音の中にをり
三山を浮かせてゐたる植田かな
 △成城学園に住みて十年
学園を城となしたる町涼し

2024/10/1

主宰の八句  2024   9月号

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   新茶     

藻屑濃く匂ふ突堤夏隣
薔薇冷えや止り木高き地下酒場
虹の輪の中より島へ着陸機
一山を若葉明りに鑑真忌
謦咳といふ物音を夏の始
落し文巻きの緩びは溜息か
やや大き揺れ幅をもて今年竹
新茶まで辿り着きたる病あと


2024/9/3   更新


主宰の八句   2024   8月号

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   椿餅    

洛外の更に外れの蓬餅
灌仏もふやけ心地の夕べかな
無住寺のただ甘茶のみ濡れ縁に
目借時千体仏のおほかたも
春の蚊の人の温みに来て打たる
門跡は吉野の流れ椿餅
屯所まで届いてゐたる壬生の鉦
欠伸にも阿吽ありけり壬生念仏


2024/7/29  更新


主宰の八句 2024  7月号

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熊穴を出づ    

春の虹加へ隅田に橋いくつ
全山は囁くに似て木の芽どき
関所過ぐ鶯笛のひと吹きに
春の鴨源平池の平家寄り
松下村塾の床の間夏蜜柑
立て直す春分の日の砂時計
金時と遊ばむと熊穴を出づ
香煙の中に義と情義士祭


2024/6/27    更新


主宰の八句 2024  6月号

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   春障子     

空海のてのひらにゐる贋遍路
稜線を空の渚に鳥帰る
浮橋は文箱にかかり光悦忌
土雛の重さ愛でたるたなごころ
春障子開けて湖国の観世音
貼り紙は花の形に春障子
禅林やほまちの韮のひと摑み
雉子鳴く寂光院の外厠

2024/5/31

主宰の八句  2024  5月号

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牡丹鍋
   
初夢のあやふく三途より戻る
初鏡老いの気力を眉に寄せ
丹田を秩父に据ゑて牡丹鍋
昨夜の酒うつはに残る寒さかな
余寒とも見ゆる眉根や阿修羅仏
秩父かな札所に春子商ふも
野遊びを喜んでゐる土不踏
鳶の輪の狭めてゐたる白子干


2024/4./26  更新


主宰の八句  2024  4月号

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      氷餅     

鴨食うて湖国の風に顔晒す
代々を湖族に生きて魦汲む
寒林の梳りたる入日影
冬耕へ影伸びてくる父祖の墓
風呂吹の冷めてもやはり吹く習ひ
生きてゐる証海鼠を嚙み切るも
諏訪に買ふ雲の重さの氷餅
鳥ごゑに亡き誰や彼日向ぼこ


2024/4/2    更新



主宰の八句 2024  3月号

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    近松忌     

淡海は降りみ降らずみ芦刈れり
ひと日干す近江蕪の赤備
芭蕉忌の旅荷に匂ふ陀羅尼助
新蕎麦を打つ間詣でむ道祖神
この辺り鹿ヶ谷とぞ僧都鳴る
冬蝶に此岸を摑む力かな
花街に奈落ありけり近松忌
威銃故郷棄てたにあらねども

2024/3/5


主宰の八句  2024  2 月号

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   秋思     

切株は秋思のための椅子ならむ
鎌倉や谷戸に秋思の種拾ひ
零せるはどの団栗の帽子かな
犇きてなほ孤を保ち黒葡萄
十日ほどかけ冬瓜をひとつ喰ふ
磐座の温みにしばし秋の蛇
行く秋の心に染みのやうなもの
青梅線四五駅を過ぎ涼新た


2024/2/28   更新



主宰の八句 2024 1月号

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      時雨     

石庭に時雨の一部始終かな
草の花大原御幸の道の辺に
蚯蚓鳴く冥府の井戸はあの辺り
秋の蝶枯山水の石を舐む
水澄むや貴船詣は瀬を辿り
月上げてさざ波立つる銀沙灘
数珠玉やここも翁の杖の跡
鈴虫の鳴き出す前の髭振れり

2023/12/31   更新

主宰の八句 12月号

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     稲光     


水平を保ちて桃の箱運ぶ
木曾谷の底を灯して踊の輪
蠟涙を路地に零せり地蔵盆
航跡も無き船形の火を送る
虫を聞く羅漢は大き耳を持て
金継ぎのごと毛野国の稲光
盆道といふも数歩の屋敷墓
縁側に干す座布団も盆用意

2023/11/26   更新

主宰の八句  11月号

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   メロン     

熟るるまで仏に預けおくメロン
閉山も昔語りにメロン切る
次の店でも鱧の出て大阪は
 京・長楽寺
一遍の脛のあたりを籔蚊かな
風鈴は扉開くたび地下酒場
蟬の穴より蟬声の多きこと
胸中はまた蜩の棲む日々に
蜩や余命といふに指折れば


2023/10/27  更新


主宰の八句  10月号

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   虚子の町     

片陰も枡形添ひに坂の町
虚子居士もこの片陰に憩ひしか
片陰に虚子の孫弟子その弟子も
入りたる虚子門といふ片かげり
もてなしは虚子の逸話と冷し瓜
冷し瓜芯のところがややぬるし
冷し瓜浅間隠しの見ゆる町
城跡は坂の下なる洗鯉

2023/9/29  更新


主宰の八句  9月号

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    涼     

傘雨忌の酒に添へたる煎豆腐
鉄棒の鉄の匂も梅雨に入る
しのばずに蓮の浄土を十日ほど
栗の花鬱然として空のあり
咬み痕を二つ三つ見せ蝮捕り
蕗の筋引けば長々蕗の丈
遠き世を引き寄せてゐる夕河鹿
鞍馬行き切符に涼み心地かな


2023/8/27       更新


主宰の八句  8月号

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更衣    

浮く泡は亀鳴く数と思ひけり
思ひ切りぬるき甘茶を有難く
蝮ゐるらし大宇陀の麻袋
山法師風を(うてな)として咲けり
土佐振りの厚さなりけり初鰹
三島手のやうにも見えて雪解富士
更衣して文弱の力瘤
軒燕鳴いて砂町銀座かな

2023/7/28   更新

主宰の八句  7月号

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   お中日     

満願の遍路なるべし湯に浮くは
尾羽まで一直線に雉子鳴く
水占の貴船も水の温む頃
加茂川が鴨川となり水温む
雁風呂であるとおぼしきこのぬるさ
生国は訛で知れり田螺汁
胸奥を過ぎゆくものに花吹雪
墓終ふこと言ひ出せずお中日

2023/7/1   更新

主宰の八句  6月号

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  二月礼者     

凍解や武甲の神威遍満に
山鯨食うて後退りはならじ
猪食うて老の血潮を泡立てむ
肉提げて秩父の二月礼者かな
余寒なほ猪突兜太の余震なほ
土竜塚焦がしてゐたる野焼かな
頰は火を吐くかに雉子鳴きにけり
竜天に登る鱗を散華とし


2023/5/29   更新

主宰の八句  2023  5月号

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  春を待つ     
 
始発ベル上野は春を待つ駅か
風見鶏北向きながら春を待つ
神将の怒髪も春を待つ頃か
門跡に不遇の皇子や寒椿
このやうな軌道あるらむ寒卵
空海の鳴かせる亀と覚えけり
玉手箱開くるなと亀鳴きたるに
暴れ火を川に落として野焼終ふ
   

2023/4/29    更新

主宰の八句  2023  4月号

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煤逃の古都     

吉野より八咫の烏が雪連れて
着膨れが来て西行の墳拝む
南都今憤怒仏より雪礫
慈悲深き仏と分かつ隙間風
明王の一喝としてこの寒波
三山の畝傍訪ふのみ暮早し
くつさめは千体仏のどの仏
青丹よし奈良の宮居の冬雲雀

2023/3/26   更新




主宰の八句  2023   3月

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 大宮氷川神社

大いなる宮居と聞けり落葉籠
願かけてみるもどうやら神の留守
一族の揃ふ柏手冬ぬくし
小吉の籤が身の丈小六月
縒りをかけ神に捧ぐる今年藁
青春の蹉跌スヱタの焦げ跡も
冬雲雀野菊の墓はこの辺り
年惜しむ疫病つづきの日々なれど

2023/2/26   更新


主宰の八句  2023  2月

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   鯨鍋     

指差して山の名を聞く秋日和
描きかけの籠の秋果の一つ減る
サルビアの鉢を正午に花時計
息継ぎであらむ秋蝶よく止まり
末枯の初めは谷戸の底ひより
補陀落に近き泊りや鯨鍋
笹子鳴く五百羅漢に千の耳
小春日や貫首の数珠を額に受け


2023/1/28   更新

主宰の八句 2023 1月

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  御慶    

福詣逆波の飛ぶ墨田べり
擦れ違ひざまの御慶も兜町
御祝儀に鳴らす金歯や獅子頭
どんど火の燻つてゐてまだ点かず
どんど火の明王と見え菩薩とも
歌留多とる遺恨絡みの袖袂
ふたかみの風の散らせる寒牡丹
乗り継ぎて次がふるさと春隣


(新年号の冒頭の一句)
二回目のみくじで吉に初詣


2022/12/25   更新


主宰の八句  2022  12月


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  破芭蕉    

文鎮のやうな富嶽や立版古
投函といふも旅めく夜の秋
寝袋に見る全長の天の川
槍岳の槍が突き上ぐ天の川
唐崎の夜雨は手荒に破芭蕉
子規居士の糸瓜の花も終の頃
長短の家族の箸や今年米
水澄むや信濃は鯉も食べ頃と


2022/12/28   更新

主宰の八句  2022  11 月号

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かはほり  

故郷や枕に沁むる蚊遣香
すぐ判る父の無骨な団扇風
老鶯の息継ぎといふ隙見せず
かはほりや戦後の闇は闇のまま
炎天やいたこの声に泣かされて
玉虫や死して吾何残さむか
遺品とて紙魚の走れる書の届く
空蟬の黄泉を見てきし目の虚ろ



2022/10/26   更新

主宰の八句  2022  10 月号

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 祇園祭の頃     

叡山を仰ぎみたくて扇子買ふ
夏のれん東山より風招く
象もゐて屏風祭の洛中図
落ちさうな尻を二階の囃子方
遠ざかる祇園囃子や厠窓
この辺りからが洛外蚊喰鳥
畳まれし屏風も後の祭かな
粽やせ乾び初めたる後祭

2022/9/24     更新


主宰の八句  2022  9月号

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  今年竹   

筍も丈上ぐる頃光秀忌
鎌倉の五山筍流しかな
宇治橋の半ばにて聞く新茶の香
今年竹にも妹の丈兄の丈
竹落葉いま散華とも懺悔とも
鮒鮓も馴れ頃竹生詣でむか
西行の頭打つべく桜の実
白樺の倒れながらもなほ芽吹く


2022/8/28   更新

主宰の八句  2022  8月号

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     春浅し     

光りたる身をな恨みそ蛍烏賊
花筏組むに手を貸す罔象女(みづはのめ)
風神が配る吉野の花便り
花びらは風の筏に段葛
蠅生まれ牧場の牛を舐めに来る
いづれのおんときと言うてみて春浅し
夏蜜柑石橋山を転げ落つ
子規の墓八重の墓にも夏蜜柑s



2022/7/29   更新


主宰の八句 2022 7 月号

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    桜餅     

菜の花の安房一国を縁取れり
野蒜掘る上総は山を低くして
亀鳴けり古墳の主を問ひたれば
県木と知り去り難き苗木市
咲くまでを生きる目途とし苗木植う
四月馬鹿己に噓をまた重ね
義士祭三百年を香に噎せ
子規ならば十ほど食ふか桜餅



2022/6/28   更新

主宰の八句  2022  6月号


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 干鰈     

干鰈よき骨格が日に透ける
海女小屋を歩き出しさう海胆の刺
湖を響板として百千鳥
大津京跡を鳴きつぐ百千鳥
蕨餅奈良もはづれの観世音
蕨餅鹿に見られてゐて噎せる
鎌倉や鷹鳩と化しサブレーに
義貞の剣の海や和布寄す



2022/5/26 更新

主宰の八句  2022 5月号

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近江初春     

諸子焼く仏に近き国に来て
はららごを弾く炎や諸子焼く
魞に汲む湖賊の裔の諸子舟
魞挿しの風蕉翁も聞きたるや
魞挿しに足す青竹の二三本
魞挿しに竹生詣での澪届く
淡海に浮かぶ心地や初霞
水分の神ここに坐す芹の水

2022/5/1  更新

主宰の八句  2022   4月号  

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  初湯     

去年二礼あと二拍手の今年かな
初鳩にして争ひの羽散らす
迂闊にも枕を外れ宝船
初みくじ末吉に運使ひ切る
年寄りの長湯危ふき初湯かな
福詣吉原にきて日の傾ぐ
重なれる餅花の影塔の影
花びらは影を重ねて寒牡丹

2022/3/27 更新

主宰の八句  2022  3月号

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       熊野詣     

畏みて熊野の神と年惜しむ
煤逃もありの熊野を詣でけり
   花窟神社
伊邪那美の窟黄泉とて冬温し
数へ日の一つで済ます目張鮨
冬ざれのあれが熊野の暴れ川
   湯の峰温泉
湯疲れの小栗もをらむ年詰まる
   補陀落山寺二句
年火守る渡海逃れの僧ならむ
鳥居出て渡海日和といふ寒さ

2022/2/26   更新

主宰の八句  2022   2月号

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     夜長の一茶     

菊の香を千体仏と分かち合ふ
爽籟やあぐらの中に孫二人
火を恋ふは人恋ふに似て夜の深し
全長に山日蓄へ秋の蛇
穴惑入日に鱗軋ませて
富士塚は五歩が五合目残る虫
  流山・秋元双樹亭跡
この夜長一茶も味醂酌みたるか
一音をはぐらかしたる神楽笛

2022/1/27   更新



主宰の八句 2021 12月号

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北澤一泊様のイラストを使用させて頂きました。

  小鰭鮨     

神将の怒髪千年堂涼し
くるぶしに意思の強さを一遍忌     
くろがねの溶岩(らば)しろがねの芒原
         蝗煮る二三が鍋を逃がれをり          
掘割は海に繋がる小鰭(こはだ)
地虫鳴くまだ死火山となりきれず
慈悲相におはす不動や豊の秋
窓にある雨月明りといふもよし

2021/11/28   更新



主宰の八句  2021  11月号

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北澤一泊様のイラストを使用させて頂きました。

   京都初秋     

機音の路地に育ちて地蔵盆
婿取りの話もう出て地蔵盆
閼伽桶が年々重し墓洗ふ
大文字蛤御門に凭れ見る
魂送り胸に燠火として宿す
今年酒松尾(まつおの)の護符添へられて
新涼や蕪村旧居はこの路地に
浮沈てふ今浮の方か衣被

2021/10/24  更新


主宰の八句 2021  10月号

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  穴子飯     

父母亡くて生家といふは黴やすし
浦島の玉手箱より黴けむり
過去帖の曾祖父あたり黴臭し
唐揚となり沢蟹が皿に這ふ
此ぞこの室の泊の穴子飯
河童忌や人恋しくて人嫌ひ
腹巻が首巻となりうなさるる
岳樺焼べ足してゐる夏炉かな


2021/9/24  更新


主宰の八句 2021  9月号

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  籐椅子    

口下手にして草笛の吹き上手
海月千水族館を煽りづめ
籐椅子の背の直角に司祭館
八ヶ嶺に向く籐椅子も蹠も
下闇を踏めば奈落のありさうな
長考の末の一歩を蟇
天井に翼気怠き扇風機
蝙蝠や荷風老人来る頃か

2021/9/26  更新

主宰の八句  2021    8月号

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    穴子鮨     

佐殿(すけどの)であれば恐らく亀鳴かす
春夕焼ひと幕といふほどもなく
山越えの弥陀とも春の夕焼は
箍弛むときは一気にチューリップ
麦笛の嗚咽となりて吹き終る
竹皮に竹皮の紐穴子鮨
川風に飛ばされてこそ夏帽子
袋掛して桃の実に富士見せず

2021/7/24     更新

主宰の八句 2021 7月号

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落ちさうな仏の薬壺春深し
たんぽぽの絮がひきずる母郷かな
溜息のひとつに万の落花かな
淡海に遊ぶ霞を食ふやうに
春惜しむ敬具のあともまだ綴り
直弼の墓花冷の痛いほど
背の亀の重さに下の亀鳴けり
本丸に出て筍の蹴られたる

2021/7/23  更新





主宰の八句  2021  6月号

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    陽炎    

七十の吾も男の子や雛荒し
手箒で払ふかんばせ雛納
父母のこゑも故山も霞かな
八ヶ嶺は雲湧くところ楤芽搔く
闘牛のちらしを離島航路かな
子規庵に来て陽炎の客となる
竜宮のやうな駅舎に白子買ふ
白子干す日のあるうちを忙しなく





2021/5/27     更新



主宰の八句 2021  5月号

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     遅日     

炬燵猫胎内仏のやうにをり
踏みさうな処に伸びてかじけ猫
よろけ出て眠り足りたる炬燵猫
この橋を渡れば安房へ春隣
頰杖に眠りを預け春隣
縁側に遅日余禄のごとくあり
まんさくの頃を友垣散り散りに
まんさくや峡の湯宿に硫黄の香





2021/4/25  更新

主宰の八句  2021 4月号

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    冬木の芽    

冬木の芽詩嚢育ててゐるごとし
金閣を囲む冬芽の銀に
海鼠腸に鋏を添へて能登の宿
冬館かつて軍靴が戛戛と
寒餅の届くふるさと捨てし身に
かいつぶり道灌堀の底覗く
寒木瓜の三日ほどして次が咲く
三寒の不動四温の観世音



2021/3/25 更新



主宰の八句 2021 3月号

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    高野山終大師     

冬虹の根の濃きあたり高野かと
水洟を詫びつつ高野詣かな
御大師の膝下に()ねて霜の声
ともかくも奥の院まで雪を搔く
千年のこの底冷を生き給ふ
凍えつつ終大師の餅貰ふ
曲がりてもまだ底冷の長廊下
秀次公自刃の間とぞ冷えまさる



2021/2/27  更新

主宰の八句 2021 2月号

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   小春の座    

釈迦牟尼のおんてのひらは小春の座
小六月母が隣にゐるやうな
抱卵の身を日に透かせ柳葉魚干す
豊饒の海の一滴牡蠣啜る
溜息が白息といふ形なす
石垣のここにも江戸の大火跡
初霜や枯山水は氷河期に
柊の香や消息は久に絶え

2021/1/27  更新



主宰の八句 2021  1月号

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てのひらを蹴られつつ捕る蝗かな
蝗跳ぶ入日に翅を透かせつつ
振り塩の溶け頃を待ち衣被
富士山はどこも正面秋澄みぬ
爽やかや弥陀と手綱で結ばれて
椎の実は思惟の形に平林寺
野火止の野火の火群の彼岸花
粥座から薬石までを昼の虫

2021/12/26  更新


主宰の八句 2020 11 月号

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  盤水先生没後十年     

  墓前五句

閼伽桶が年々重し墓洗ふ
掃苔や供物の煙草燃え渋る
爽やかや先生の句もその墓も
虫鳴いて先生の墓賑やかに
昼の虫句の虫も来て師の墓辺
水打ちて枯山水を喜ばす
ふるさとに下駄の磨り減るまで踊る
  小田原城古郭
螻蛄鳴けり濠の深さを測りつつ

20290/10/29   更新



▲2016年11月26 日 読売新聞・朝刊掲載。

山晴や反りて崇なす朴落葉


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主宰の八句 2020 10月号


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山椒魚   

月山も山椒魚も動かざる
滴りが映す山河をふくらませ
曾根崎の灯を対岸に祭鱧
鱧の皮グリコのネオン届く酒肆
日盛の京を西入ル東入ル
老人の目が蠅を追ひ見失ふ
老人がただ提げてゐる蠅叩
水羊羹平らに提げて富士見坂

2020/9/27  更新

主宰の八句  9月号


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やませ

森に礼海に礼して苗木植う
この梁も津波の下と海鞘捌く
合はす手に梅雨の湿りや光堂
弁慶の股下くぐる青嵐
光堂夏蝶も色こぼし過ぐ
幻の堂宇あやめは禁色に
田の神を震へ上がらせやませ吹く
毛越寺浄土の海をやませ吹く

2020/8/28   更新

主宰の八句  8月号

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白雨

老鶯の次の声待つ長湯かな
手に受けて蛍は熱しふるさとは
神頼みなども少しく短夜を
白雨来て枯山水の熱冷ます
黴の香も丸ごと家族写真かな
歳時記を割れば黴の香黴の項
もてなしの夏炉の炎やや高し
夏炉焚く座敷童が榾足して


2020/7/25


主宰の八句  7月号 2020





        花冷        

半眼は水中に置き昼蛙
踏みどきをやや失ふも麦踏めり
つくづくし一筆箋なら書けさうな
風呂敷に包まむ京の朧月
開かぬ目で我を見てゐる捨仔猫
長閑さや見えゐていまだ着かぬバス
疾きゆゑに花筏とはなりきれず
花冷の手痛きまでにこの年は




2020/6/28    更新

主宰八句  6月号 2020

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         遅日        

きな臭きまでに空澄み底雪崩
神の名に彦や(みことや草萌ゆる
酒こぼし春愁の輪の広ごれり
角落とし後ろの鹿を躓かす
角落ちし鹿鳴きにくる西行庵
海鳴りや井桁に組みて雁供養
風あればたてがみめける春ショール
古稀の身の遅日の端にゐるごとし

2020/5/25  更新

主宰八句 5月号 2020



     八戸・えんぶり    
   
(えんぶり)摺る雪なきことを嘆きつつ
えんぶりの振舞酒に雪募る
頬紅を塗りえんぶりの顔となる
通行止めして苗植うる朳衆
えんぶりの鯛四辻に釣り上がる
抱き寄せてえんぶりの子を風囲ひ
町名に三日六日や朳摺る
脇役で八十といふ朳翁




2020/4/24  更新

主宰八句 4月号 2020


     鰤起し      

宿の梁つられて鳴れり鰤起し
魚市の一番底に平目の目
書初の一画にして躓けり
暁闇の湯気の分厚き寒造
三寒と違ふ角度の四温の眉
三寒は父に四温は母に似て
なまはげの足の縺れて藁こぼす
屋上に禰宜の来てゐる午祭

2020/3/29   更新


主宰八句 3月号  2020

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        串柿        

串柿やすぐに日の失せ宇陀郡
一言神に供へし冬至南瓜とぞ
冬ぬくし仏の由来聞けばなほ
有難し観音堂のこの冷えも
二上山(ふたかみ)を暮るるまで見て年詰まる
玉砂利の四隅まで筋年用意
興亡の亡も神とし冬ぬくし
水神の幣を新たに寒造

2020/2/28    更新

主宰八句 2月号  2020

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海鼠

神鏡に風の映れる神の留守
おでん酒昨日の客が今日もゐて
旧拓銀前朝市のたらば蟹
切られたる半ばに海鼠身構へる
啄木の失意の街の氷頭膾
力抜く十一月の山々は
短日といふも木曾路はあまりにも
ひと掴みほどの冬菜をなぞへ畑


2020/1/29   更新






主宰の八句   1月号  2020 

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   椿の実        

海光が磨きをかけて椿の実
灯台は孤高の背骨鳥渡る
潮騒も襞に刻まれ甘干に
献上の折敷に跳ぬる紅葉鮒
穭田に田の神帰りそびれしか
罠の檻歪むるほどに猪猛る
裏庭は吉野へつづく鹿おどし

  「伊勢 河合真如先生」
秋惜しむかつて神官たる人と









2019/12/29   更新





主宰の八句  12月号

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主宰の8 句 2019年12月号

         秋日和       


青空を丸ごと摑み松手入
無垢の耳のみに聞こえて鉦叩
高野いま胎蔵界に鉦叩
雨粒を尻に集めて糸瓜かな
錆鮎の焼干し吊す檜枝岐
  品川寺
虚子の句碑読む別れ蚊に刺されつつ
鯨塚などにも触れて秋愉し
寺あればまた寺に寄り秋日和

2019/11/29  更新








主宰の八句 11月号

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  全て九品仏・浄真寺にて 2019/10/28 撮影しました。
主宰の8 句 2019年11月号
九品仏初秋

秋思ひとしほ九品仏てふ駅名も
下生の身にも秋蟬の等し並み
吾が胸に切れを入れたる夕蜩
秋扇胸の閊へをあふぎをり
九品仏訪へば九品の秋のこゑ
ことごとく秋思の相の九品仏
残暑なほ阿弥陀様にも上中下
芙蓉散る濁世を見切りたるやうに

2019/10/28   更新






主宰の八句 10月号

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主宰の8 句 2019年10月号

陸奥の旅

恐山此岸より見る灼け地獄
禊湯を出て霊山のやませ受く
やませ吹く我にも名無し塔婆にも
湯桁にも年輪陸奥の緑雨かな
またたびの花まだ旅の続きをり
海鞘喰うて胸に霧笛のやうなもの
浮苗に活入れてゐるやませかな
消印は海辺の町の夏見舞



2019/8/28   更新





主宰の八句 9月号

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主宰の8 句 2019年9月号

 蜘蛛の囲        

泥鰌鍋隣の席の世話も焼く
青嵐とも木曾殿の入洛は
蜘蛛の囲の糸飛ばしたる編み始め
頼りなき甘さが頼り枇杷啜る
孑孒の百態を見てやや痒し
爪先で知る梅雨冷の永平寺
隣家にも糊代ほどを水打てり
葬儀屋に客なくてまた水打てり


2019/8/28   更新






主宰の八句 8月号

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主宰の8 句 2019年8月号

牡丹
牡丹に現世の息慎めり
余花に会ふ奥千本のその奥の
最澄の山一隅の余花明り
糶市に武者溜りめく蝦蛄の籠
鷹巣立つ枝の撓みをばねとして
しまひには蹴りだされたる巣立鳥
短夜であれば一幕物の夢
夏めくや長寿眉など切り揃へ



2019/8/11  更新










主宰の八句 7 月号

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主宰の8 句 2019年7月号

山ざくら
上千本にて残桜に追ひ付けり
深吉野の湯屋に飛びくる残花かな
手の届くあたりが冥府山ざくら
ひこばゆる系図逆さにしたやうに
村ぢゆうが焦げついてゐる麦の花
身長の縮みて古稀に柏餅
毛の生えるやつぱり四月馬鹿
突つき合ふ憲法記念日も鳩は



2019/6/27     更新










































 
画像上で拡大します。


スピーチと熱狂の鳴り止まぬ拍手喝采。


ダブル受賞の快挙・・!


溢れる程の祝賀モードへと・・。






 二次会・店内に入りきれない人数でしたが,日曜日とあって店の前の通りも通行が少なく,穏やかな天候の下、外に溢れる受賞者の二人や他結社の方々と交流するなど、思い思いにお酒を楽しみながr懇談を深め,何時までも祝賀会の熱気は冷めることがありませんでした。



  受賞 祝賀会 2019/3/17

授賞祝賀会
学士会館
2019年3月17日


更新で5秒後、再度スライドします。全14枚。
乾杯は井月の千両、千両と手締めでとフィナーレへと・・。







句集 「然々と」 伊藤伊那男 自選15句-1




自選15句-1
更新で5秒後、再度スライドします

5句
みすずかる信濃は大きな蛍籠
魔法瓶あるだけ並べ天茶寺
菊枕には重すぎる頭かな
露の世とつぶやてみて露の中
股引をもう見られてもよき齢


自選15 句
3019/4/1   更新




句集 「然々と」 伊藤伊那男 自選15句-2




自選15句-2
更新で5秒後、再度スライドします

5句
マッチ一本迎火として妻に擦る
動かせば火鉢に爺がついてくる
ボーナスを自分に出してみて淋し
白鳥の白炎として降り立てり
蝮酒二日ほどして少し効く


自選15 句
3019/4/10   更新





句集 「然々と」 伊藤伊那男 自選15句-3



自選15句-3
更新で5秒後、再度スライドします。
5句

湯たんぽの慈母のごときを足蹴にす
春火鉢あればあったで手をかざす
山笑ふ若草山もそれなりに
京の路地一つ魔界へ夕薄暑
大仏の頭が見えて冬ぬくし


自選15 句

3019/4/20   更新








句集 「然々と」 伊藤伊那男 十句選 -武田禪次


更新で5秒後、再度スライドします。

十句選 武田禪次

鱈割いて貧婪の腹さらけ出す
露の世とつぶやいてみて露の中
火に脂そそぎ秋刀魚の焼きあがる
人麻呂に空くる上座や今日の月
白鳥の白炎として降り立てり
鶴翼のやがて魚鱗に山焼く火
山女釣る山を大きく傾けて
若水の映す一歳もなき山河
風鈴を妻の吊るしし位置に吊る
焚き上げて枯菊の香を全うす

3019/4/25   更新






句集 「然々と」 伊藤伊那男 十句選 三代川次郎

更新で5秒後、再度スライドします。

十句選 三代川次郎

寒林に入り散策は思索へと
福寿草てふ睦まじき混み具合
山晴れへ挿す八朔の幟旗
たんぽぽの絮吹き絮に囲まれるる
鯉跳ねて十六夜の月崩しけり
山開馬が舐めたる清め塩
音階を一つ上げたる虎落笛
冬凪に潜水艦の甲羅干し
血管の膨らみきって競馬
阿弖流為を内より照らし大ねぶた

3019/5/1   更新





2019/5/4    更新

句集・然々と 伊藤伊那男 十句選 杉阪大和

更新で5秒後、再度スライドします。

十句選 杉阪大和

寒林に入り散策は思索へと
鶴引きて祭のあとのやうな村
落葉焚く色を夕日に繫ぎけり
たんぽぽの絮吹き絮に囲まるる
あぢさゐの色のはじめを雨が描く
鮎簗へ大きくしなふ渡し板
おほかたの影は縞目に夏座敷
驚きのかたちにうねる稲雀
山々は彫りを深めて洗鯉
富士塚の裾野に拡げ苗木売

3019/5/8   更新






句集・然々と  伊藤伊那男 十句選 松川洋酔

更新で5秒後、再度スライドします。

更新すると5秒後に再度スライドします。全10枚「然々と」十句選集・松川洋酔  2019/5/15更新
十句選  松川洋酔

平穏は余白にありて暦果つ
職歴は五指ほど勤労感謝の日
聖菓切る五人家族はやつかいな
蝮酒二日ほどして少し効く
ボーナスを自分に出してみて淋し
紙懐炉ずれてふぐりを温むる
動かせば火鉢に爺がついてくる
股引をもう見られもよき歳
亀鳴くと師が言えば皆諾へり

2019/5/15   更新





句集・然々と  伊藤伊那男 十句選 武田花果

更新で5秒後、再度スライドします。

更新すると5秒後に再度スライドします。全10枚「然々と」十句選集・武田花果  2019/5/23更新 new
十句選  武田花果

福寿草てふ睦まじき混み具合
生家売るは棄教のごとし鳥に
いつも買ふいつもの豆腐小鳥来る
黄泉の国より噴き出せる桜かな
兄吹けば草笛にある国訛
蒔いてみん妻の残しし花の種
鹿鳴くや恋はかくかくしかじかと
焚き上げて枯菊の香を全うす
隠れん坊のやうに人逝く年の暮
柏手の一打たがへし年の果

2019/5/23    更新